過去との決別

 Climax 01 Scene Player ──── ブレイク

 出口はなく、本の主も現れない。
 だったらすることは一つだとブレイクは自身の影を操り、空間に向けて攻撃を繰り出し始めた。

GM:クライマックスです。ブレイクはどれだけこの雑木林の中を動き回っても無駄だという結論に達した。ならばと自身の影を操り、アンジュに出会った時のように空間に向けて攻撃を始める。
ブレイク:無心で攻撃し続けるぞ。
レダ:止めようとするけどブレイクのしたいことを理解して、レダもそれに続く。
アンジュ:ふ、二人ともっ。どうしてしまったんですか!
GM:もちろん、ここから脱出するための行為だ。レダは最初止めようとブレイクの腕に手を伸ばそうとしたが、現状では彼の行動が最適解であろうことはどことなく分かる。だったらとレダも領域を広げ、辺りに電気を発生させて空間に流す。
ブレイク:出口がないなら作る。
レダ:現状、出来ることはこれぐらいしかないから。やれることはやってみないと。
アンジュ:……アンジュはここで、足踏みしてしまう。自分が協力したってどうせ力になれないと思いこんでるから。しかも、特に二人の力は過去のことで美化され過ぎてるから任せておけば大丈夫だと思ってるから固唾を呑んで見守ってる。
ブレイク:それに対して俺は何も言わない。構わず空間に攻撃を続ける。
レダ:ここは私も声をかけない。アンジュに強要する気はないからね。

第1ラウンド
GM:では戦闘に入ります。現在の対象は空間一体。エンゲージに関しては特殊で、そこにいるんだけど存在しないという扱いです。
ブレイク:詳しく。
GM:はい。まず対象である空間とは、ある意味世界そのものです。ですので、どこに攻撃をしても当たります。
レダ:まさに本の中の世界への攻撃、というわけか。
GM:至近であっても、決められた射程でも、視界であっても何でもあたります。同エンゲージの相手には不可であるエフェクトも空間に対しては無視してもらって大丈夫です。
アンジュ:空間に攻撃するって宣言した時点で当たるってイメージかな?
GM:そうですね。範囲攻撃であれば空間も選択してもらえば当たりますし、シーン攻撃も同様です。ただしあくまで対象は一体なので、空間を三体選んで三倍ダメージ、ということにはなりません。
ブレイク:了解だ。後はこちらのエンゲージに関してだが……。
アンジュ:アンジュは二人が空間に向かって攻撃してるなら、距離を置いておくかな。2mぐらい。
GM:了解しました。ではセットアップから。こちらは何もありません。というか、HPしかないです。
ブレイク:マジで壁なんだな……。
GM:行動値が高いのはアンジュの12ですね。続いてブレイクの8で最後がレダの6です。
アンジュ:しかしアンジュは行動しません。まあセットアップのエフェクトもないんですがね!
ブレイク:こちらもなしだ。
レダ:では≪得意領域≫を使用。このラウンド中判定ダイス+1個。
GM:次はイニシアチブですが、何も無いのでアンジュです。
アンジュ:待機を宣言。
GM:ならブレイクですね。
ブレイク:マイナーで≪オリジン:ヒューマン≫+≪無形の爪牙≫。メジャーで≪コンセントレイト:ウロボロス≫+≪原初の赤:吠え猛る爪≫で攻撃。達成値は40!
GM:回り過ぎでは!?
ブレイク:ダメージは……13!? なんで最初より減るんだよ!
アンジュ:これは笑うしかない。
GM:え、えー。では空間に13ダメージですね。若干傷ついた感じがします。レダの番です。
レダ:マイナーはなし。メジャーで≪雨粒の矢≫+≪雷の槍≫。……出目は7だが固定値8なので計15だよ。
アンジュ:≪雨粒の矢≫とは、これまたロマンを……。
レダ:一回やってみたかったんだよね。ダメージは23まで伸びた。
GM:固定値怖い……。と、ここで待機を宣言していたアンジュに回ってきますが。
アンジュ:空間はどんな感じですかね?
GM:結構良い感じに傷ついてます。もうちょっと待っていれば開きそう。
アンジュ:苦戦してるって雰囲気じゃないわけか。じゃあ行動放棄するね。……大丈夫かな?
ブレイク:いいぞ。キャラになりきってけ。
レダ:こっちも侵蝕率はまだ余裕があるから心配しないで。
GM:2ラウンド目に入ります。ではここのセットアップで、何者かが貴方たちの元にやってきます。それは紙魚です。ということで新しい敵が増えました。数は三体。一体だけ明らかに大きくて、本の主であると分かるでしょう。
ブレイク:やっぱ出てきたな。で、あー、何だっけ?
GM:紙魚です。紙を食べる虫ですね。中々に嫌悪感を抱く見た目です。
アンジュ:調べるのやめとこ……。
レダ:二年前も三体だった?
GM:いえ。レダの記憶では一体だけでしたね。そいつも紙魚でした。でも大きさとしてはもっと小さかったはずです。

 やはり二人は強い。アンジュが何もしなくても空間に亀裂が入りはじめ、もう少しでここから出られそうだ。
 そんな三人の元にやってきたのは大きな紙魚。それらは明らかに三人に対して敵意を向け、空間に傷をつけたことに怒りを覚えているようだ。

ブレイク:どうやら、本の主をおびき出すのに成功したようだ。
レダ:おかしいな。前は一匹しかいなかったはずなんだけど。
アンジュ:あれが本の主なんですか? じゃああいつを倒せば……。
ブレイク:唯一の本が作りだしているこの空間そのものも消滅。本は元に戻る。俺たちもここから出られる。

 元凶さえ討ってしまえば空間に亀裂を入れる必要もない。何より、この相手を放置しておくわけにもいくまい。ブレイクとレダはすぐさま空間に向けていた攻撃の手を本の主に切り替える。
 だがしかし、アンジュだけは祈るように両手を胸の前で固く握りしめるばかりで自ら動こうとはしなかった。

GM:紙魚とは言ってもそれはオーヴァード。あくまでもその形をしているというに過ぎません。ない瞳の代わりに発せられる強者の存在感はアンジュたち三人を圧倒する。ここで衝動判定、目標値は9。
アンジュ:妖怪1足りないー! 暴走です! そして侵蝕率上昇は……19!? ほぼ最大値じゃないですかやだー!
ブレイク:荒ぶってんな。こっちは9でギリギリ成功。上昇は7だ。暴走は回避型の俺にとっては死活問題なんでな。
レダ:こっちも13で成功。上昇値は11だよ。

第2ラウンド
GM:全員現在の侵蝕率が91とは仲良しさんですね。さて、改めてセットアップです。
アンジュ:ないよー。
ブレイク:俺もない。
レダ:≪得意領域≫+≪加速装置≫で行動値+4に<RC>判定時のダイス+1個。
GM:こちらは本の主・シルバーフィッシュが≪獣王の冠≫を使用。仲間二体の攻撃力+15して、行動済みになる。紙魚の王に威光で周りの紙魚がやる気を出すよ。
ブレイク:虫は虫だ。レダ、頼むよ。
レダ:とりあえず、焼き焦がそうか。
GM:おっと。イニシアチブで割り込りだよ。本の主は≪異形の転身≫でブレイクたちのエンゲージに入る。そしてアンジュの番。
アンジュ:うーん、流石にそいつらからは明確な敵意を感じてるんだよね。
GM:ですね。アンジュも例外じゃないです。
アンジュ:うー、待機!
GM:では行動値が変わっていますので、レダの番です。
レダ:……あっ、エンゲージから離脱するのってメジャー使うんだっけ。
GM:はい。
レダ:だったら本の主へのダメージは諦めて、残り二体を狙おうか。さっきのコンボで対象は小さい紙魚二体と空間に。
GM:了解です。判定をどうぞ。こちらは回避もガードもないのでダメージまで出しちゃってください。
レダ:達成値は26でダメージは28。良い感じ。
GM:強すぎではっ!? えっと、取り巻きの紙魚は戦闘不能です……。
アンジュ:んええー! 倒しちゃったの!?
ブレイク:これはアンジュが自立しないぞ(笑)
アンジュ:レダへの株が爆上がりしてるーっ! だがアンジュの成長に繋がらない! というかよく考えると暴走してるから恐怖心でいっぱいだった! もうこれ動かないな!?
レダ:おかしいな。本当ならここで苦戦して、アンジュの意志で二人を助けなきゃ! って行動させる予定だったんだけど……。
ブレイク:まあ大丈夫だ。まだ親玉は残ってる。というわけで俺の番でいいか?
GM:かかってきなさい。なあに、大丈夫です。倒された奴らは四天王の中でも最弱……。
アンジュ:GMの精神も壊れそうよ!
ブレイク:だが手は抜かない。マイナーは≪オリジン:ヒューマン≫のみ。メジャーは先ほどと同じ。達成値は……6!?
アンジュ:どうしたブレイクーっ!
ブレイク:これは完全にやる気がないな! いやどうしようか、これ。
レダ:実は≪妖精の手≫を持っているんだけど、ここはわざと失敗してアンジュを焚き付けない?
ブレイク:なるほど。ではこうしよう。ブレイクはわざと手を抜いて本の主に攻撃を仕掛ける。だが暴走しているアンジュにそのことは分からない。強いと信じて疑っていないブレイクが、UGNから保護対象として指定されているあのブレイクが、なんと苦戦している……ように見える!
GM:盛り上がっているところ申し訳ないのですが、なんと本の主は回避しません!
ブレイク:本の主ー! これぐらいなら避けられるぞー!
GM:しかし、ガードはします。ということでダメージをお願いします。
ブレイク:ダメージって1Dに-1の補正つきだぞ……。6点の装甲無視。
GM:≪イージスの盾≫を使用します。14点減少で0ですね。
ブレイク:うわー、なんだこいつー。堅いぞー。
レダ:キャラが崩壊してる(笑)
ブレイク:すまん(笑) だが実際問題、ここらでアンジュに動機を与えたいところだな。
GM:なら本の主を使いましょう。ご安心ください。こいつは完全火力に振っております。ダイス数も多めです。つまり、レダを一撃で粉砕できます。
レダ:おっと、侵蝕率が100%を超えているこちらに来るか。回避もガードもないから、恐らく当たるだろうね。
ブレイク:流石にレダが倒れればアンジュに動機が出来るな。……ってちょい待て、本の主はもう行動済だろ?
GM:問題ありません。本の主はエネミーですよ? ということで自身のイニシアチブに≪加速する刻≫を使用して行動します。マイナーで≪オリジン:アニマル≫+≪完全獣化≫+≪骨の剣≫です。メジャーは≪コンセント:キュマイラ≫+≪爪剣≫。対象はレダ。ダイスはなんと、13個です。
レダ:私たちの二倍以上あるじゃないか。これはダメそうだ。
GM:では達成値を……固定値を足して17!? 何が起こっているのです!?
アンジュ;この卓呪われてる?
レダ:一応回避を試みるよ。ダイスは4個で……2.3.3.3。達成値は3!
ブレイク:ひでえ(笑)
GM:えっと、命中ですね! ダメージは高いですよ、24点です。
レダ:装甲があるから3引いて……GM! 5点足りてない! 生き残ってしまった!
GM:なんですって!? 何故生きているのです!
ブレイク:死にたがるとかどういう光景(笑)
アンジュ;GMさえもアンジュのために四苦八苦してるの面白すぎるんだけど(笑)
ブレイク:だからお前のためだって(笑)
GM:うーん、今回のセッションでアンジュを自立させるのは難しいでしょうか……。
アンジュ;いやいや、いくら耐えたとはいえ、レダの体力はまさに風前の灯火。これにはアンジュも息を呑む。
レダ:ここらでかっこいいRP入れようか。
GM:どうかよろしくお願いします……。

 レダの雷は本の主が連れてきた配下たちを一瞬にして灰に還す。これを見たブレイクは相変わらず容赦のない奴だと感想を漏らしながら自身と対峙している本の主に影を伸ばした。
 ――この時。
 本の主を前にして恐怖しているアンジュには分からなかったが、レダはブレイクの行動を異様に感じた。
 彼が得意としている戦い方は、その自在に動く影を超遠距離にまで伸ばして一方的に敵を喰らい尽くすこと。だが今の彼は距離を取るどころか本の主に対して近接戦を仕掛けているのだ。確かにそれも一つの戦闘スタイルではあるだろうが、どうにも全力を尽くしているようには見えない。
 刹那、本の主が咆哮を上げて一本の巨大な足を振り回した。ブレイクの戦い方に気を取られていたレダは反応が遅れ、もろに薙ぎ払いを受けてしまう。

アンジュ:レダさん……!
ブレイク:平気?
レダ:辛うじて、かな……。どうにか、まだ……。
ブレイク:無理しなくていい。後は俺がやるから。

 そうは言っているが、アンジュの目に映るのは苦戦しているブレイクの姿だ。レダも奇跡的に生きているだけで、先ほどの攻撃で死んでいてもおかしくなかった。
 もし……。もしもブレイクも先ほどレダが受けた攻撃に当たってしまったら?

アンジュ:や、やだ……。レダさん、しっかりして……っ! ど、どうしよう……。ブレイクさんにも同じ攻撃が当たったら……。
レダ:アンジュ。大丈夫、だから。私はまだ、戦える。ブレイクを死なせたりは……しない、から。
アンジュ:レダさん! ダ、ダメです! 動いちゃっ……!
レダ:彼は私にとって、大切な人だ。助けるためなら自分の命ぐらい、惜しくないよ。
アンジュ:どうしたらいいの? このままじゃ二人とも……。
ブレイク:アンジュ。戦わないならレダを連れてどっか行って。邪魔だ。
アンジュ:邪魔……?
ブレイク:そう、邪魔。

 きつい一言を浴びせられ、アンジュは怯む。
 自分は先ほどまで何をしていた? ただ二人の行動を固唾を呑んで見守っていただけではないか。安全な場所で、自分だけ傷つかない場所で、ただ見ているだけ。
 そんな自分に二人はなおも気をかけてくれる。こんな自分を……。
 このままじゃダメだと、心の奥底から何かが訴えかけてくる。身を縮こめてばかりではいけないと。悲劇の酔いから醒める時なのだと――。
「私がやらなきゃ……大丈夫。訓練で学んだとおりに動けば、ちゃんと力は使えるはずだから……」
 息を一つ吐き、右足を一歩前に出して重心を整える。
 その手に握られているのは赫のスナイパーライフル。アンジュが自身の血を使って作りだしたものであった。

GM:では待機を宣言していたアンジュの番です。
アンジュ:今戦わなきゃ、絶対に後悔する……! 私はもう、失いたくないっ! マイナーは≪赫き猟銃≫のみ。メジャーは≪死点撃ち≫+≪ピンポイントレーザー≫+≪生命吸収≫で本の主に攻撃。達成値は38。
レダ:ここで≪妖精の手≫だよ。最後のダイスを振り直して。
アンジュ;ありがとうレダさん! 改めて達成値は46!
GM:ガードを宣言です。
アンジュ:ダメージは振るわず20点だけど、この後に追加で15点受けてもらうよ。あ、装甲無視です。
GM:≪生命吸収≫痛いです。ではこちらは≪イージスの盾≫で――4点しか減少しない!? 16点ダメージに追加で15点は痛いです!
アンジュ:そしてアンジュは同値の15点を回復。
ブレイク:このチームのダメージソースが俺じゃないんだけど。
レダ:ポジション的には一番強い感じなんだけどね。
アンジュ:私もレダも全部火力に振ってるからねー。今回避取ってるのブレイクだけだし、今後変わるでしょう。
GM:くええ。本の主頑張ってください。最後のクリンナップですが何かありますか?
アンジュ:ないよー。私がなかったらみんなないよー。
GM:分かりました。3ラウンド目に移りましょう。

「ブレイクさん、屈んで下さい!」
 スナイパーライフルから撃ちだされた一発の弾丸は本の主の身体を大きく穿った。初めての手ごたえにアンジュは確かな自信を感じ、新たな血の弾を込める。
「やれば出来るみたいだ」
 アンジュの一発を見たブレイクは口角を上げ、なおも本の主の気を自身に向けさせている。
 ブレイクが本心から邪魔だと言っているわけじゃないことは、何となくだがアンジュは分かった。本の主がこちらに標的を向けないように立ちまわりつつ攻撃は避け、自分の放つ打撃を当てるというのは信じられないほどの集中力を要しているはずだ。そんな状態でアンジュのことを心配して声をかけるなんて芸当、普通なら出来ることじゃない。
 ブレイクは言葉を選んでいる余裕すらないのだ。そんな彼にずっと甘えていていいわけがない。
 彼らに教えてもらったんだ。この力は人を助けることの出来る力だと。

 だから今度は私が二人を助ける番――!

第3ラウンド
GM:セットアップです。アンジュとブレイクは飛ばしますね。
レダ:こちらは2ラウンド目と同じ。エフェクトレベルが上がったので効果上昇だ。
GM:ひええ。ですがこちらも動きますよ。≪進化の末脚≫+≪進化の大爪≫で攻撃力と行動値に+9です。
アンジュ:行動値+9は強いな!
ブレイク:その攻撃力があればレダをもぎ取れていたわけか。
GM:過去は振り返りません! では行動値14のレダからです。
レダ:ここは離脱を宣言。10m離れる。
GM:分かりました。次は行動値12のアンジュと本の主。こういう時はPC優先なので、アンジュです。
アンジュ:マイナーで戦闘移動。本の主がいるエンゲージからさらに8m離れてレダとエンゲージします。そしてメジャーはさっきのコンボ! 達成値は7! っておおい!
GM:みなさんもしかしなくても、コンセントレイトMAXじゃない?
アンジュ:経験点が足りなかったのだ! だが相手はドッジをしないし、当たれば固定で15点はもぎ取れるから……。
レダ:使うよ、≪妖精の手≫。ここで温存する理由がないから。
アンジュ:うわーん! ありがとうレダさまー! でもダイスが腐ってるから17止まり!
レダ:≪力の法則≫も乗せる。……いいよね、ブレイク?
ブレイク:問題ない。アンジュが止めを刺すべきだ。
アンジュ:ではダメージ……22点装甲無視! その後に加えて15点!
GM:耐えてみせますとも! ≪イージスの盾≫で10点減少! 12点の後に15点喰らってまだ耐えている!
アンジュ:出目が悪かった……。
GM:さあ本の主よ! 頑張る時間です!
アンジュ:ここでDロイスの触媒発動! あ、えっと……どっちがいいかな?
レダ:ブレイクでいい? ロイス一個切ってもらうことになるんだけど、こっちはちょっと侵蝕率が。
ブレイク:支援飛ばすと負担かかるからな。任せとけ。
アンジュ:では対象はブレイクだよ。
GM:ひえー! 止めてください死んでしまいます。
ブレイク:いつものマイナーメジャーコンボ。達成値は32だ。ガードだろうからこのままダメージも出すぞ。やっと出目が良くなったな、31点装甲無視だ。
GM:ぴゃー! 一応≪イージスの盾≫で……だから3点ってなんですか! くそう、本の主は≪蘇生復活≫でHP1点で復活です!
レダ:やはり持っていたか……。
GM:誰か一人は道連れにしないと! ということでブレイクに攻撃です。……んん!?
ブレイク:どうした?
GM:≪骨の剣≫で作ったガード値の追加をすっかり忘れていました。何回攻撃受けましたっけ。えっと、ブレイクからの一発目は0、アンジュからとんでもないダメージで一回と、その後にもう一回。そして先ほどのブレイクからで……ああ、関係なさそうですね。死んでます。
レダ:頑張れGM。
GM:巻き戻しなどしませんとも。どうせ死んでますので遺恨もないです! さあ喰らいなさい! 本の主の全力アタック! 達成値は14! もう嫌だ!
ブレイク:GMの出目が腐り過ぎている。回避だ。
GM:まだです、この攻撃に対するドッジ時はダイスを1個減らしてください。
ブレイク:地味に嫌な効果だが、やるしかあるまい。リアクション時≪リフレックス:ウロボロス≫+≪原初のD:完全抗体≫+≪原初の緑:切り払い≫を使用する。 達成値は26だ。
GM:本の主はしょぼくれています。
アンジュ:良いところなかったね。
レダ:GMの出目が暴れるのもきついから。
ブレイク:トドメ、決めるけどいい?
レダ:頼むよ。
GM:最後まで足掻いて見せますとも。先ほどのようなことが起こるかもしれませんから。
ブレイク:マイナーはなし。メジャーは変わらずだ。達成値は19。
レダ:≪妖精の手≫だ。
GM:何回あるんですか! って、最大レベルまで振ってあるのか!
ブレイク:改めて27だ。ダメージは12点装甲無視。……微妙だな。ここで哀れな紙魚にロイスを取ってタイタスにする。効果は達成値+1Dだ。出目は……1!? ダメージは13点装甲無視になった! なんだこれは!
GM:まだ生きるかもしれませんね! ガードを宣言で≪イージスの盾≫で9点減少! そして忘れないガード値+6! ノーダメージです。
ブレイク:おおい! そこは空気読んで倒れとけよ!
レダ:ブレイク、手を抜き過ぎだぞ(笑)
アンジュ;締まらないなあ(笑)
GM:しかし、次の攻撃って4ラウンド目は本の主より先にアンジュが動くので、当たった時点で15点が確定なのですよ。本の主はドッジしないのでどうしようもないのですが、最後までやりますね。ファンブルもあり得るので。

第4ラウンド
GM:では4ラウンド目のセットアップに宣言があれば。
レダ:ないよ。侵蝕率がちょっと厳しい。
GM:こちらももうありません。では行動値12のアンジュと本の主ですが、アンジュから。
アンジュ;ここはしっかりと有終の美を飾って自信につなげます。マイナーはなしでメジャーは変わらず。達成値は16でダメージは19点装甲無視の後に15点です。
GM:ガードを宣言で≪イージスの盾≫を使用。9点減少にガード値6で15減らしますが……ダメですね。アンジュの三発目の血弾が紙魚の胴体を貫くと先ほどまで暴れていたのが嘘のように静まり返り、倒れていく。戦闘終了です。

 ブレイクの影が確実に本の主の身体を貫く。だが本の主は道連れだと言わんばかりに最期の咆哮を上げ、ブレイクに飛びかかる。これを避けたブレイクはもう一発と影を振りかざすが、躱した拍子に体勢を崩したのか上手くダメージを与えられなかった。
 そこに響くは銃撃音。体躯を折って崩れ逝く本の主に止めを刺したのはアンジュであった。

アンジュ:ブレイクさん! 怪我はありませんか!
ブレイク:俺はないよ。レダの方を心配してあげて。
アンジュ:レダさん!
レダ:私の方も問題ないよ。大分癒えたから。
アンジュ:……良かった。本当にっ……うぅ……良かった……!