Preplay 01 ──── はじめに
いきなりだが、このシナリオを制作した自分はTRPGを遊ぶ上でPLよりGMの方が好きだ。
理由はいくつかある。
まず、致命的だがRPを苦手としている。どうにもキャラになりきるというのが恥ずかしく、中途半端になるか、素の自分になってしまう。
次に、物語を作り上げるという作業が好きだ。まず大筋を作りあげ、PLたちが演じるキャラクターたちにあった物語に調整し、キャラクターらしいシナリオになっていく工程を楽しく感じる。
そして最後に、データ作成が好きだ。PLたちが作ってくれたキャラクターを見てギリギリ勝てるかどうかを演出するため、数字とにらめっこする時間を有意義に感じられる。
故に今まではGMしかしてこなかったが、一度だけPLをして楽しかったと思えるセッションがあった。
それがダブルクロスである。この時のセッション方法はオンラインで、キャラクターの会話は全てチャットで行った。そのため何の恥ずかしさも感じずにRPが出来て、初めて活き活きとしたキャラクターを演じることが出来た。
以来、ダブルクロスが大好きになり、今回もこうしてシナリオを作り上げた。
時間の許す限り、お付き合い頂ければ幸いだ。
Preplay 02 ──── 関係性
あくる日の午前。インターネット内に用意した専用の部屋に四人の人物が入室した。
トーレ(以下、GM):本日は集まってくれてありがとうございます。早速ですがキャンペーン(仮)『唯一の本の物語』の0話となるセッションを始めたいと思います。
全員:よろしくお願いしまーす。
私の呼びかけで集まってくれた今回のメンバーは全員が友人関係にある。そのため、昔にシナリオの概要を話したことがあり、出来ればキャンペーンにまでつながるようなセッションをしたいと伝えてあった。それを聞いた彼ら彼女らは嬉しいことに、遊びたいと言って集まってくれた。
本当に感謝しかない。
PC1(以下、P1):とうとうシナリオ完成したんだねー。それで、0話というのは?
GM:随分昔に話したきりでしたが、どうにか完成にこじつけられました。実は今日のシナリオはそこまで長くならない予定です。まずはこの話で三人の出会いとか、関係性を肉付けしようと。
PC2(以下、P2):ほー?
PC3(以下、P3):キャラクターがどんなのか、っていうのを掴むのが目的なわけか。
GM;夢はでっかくキャンペーンを狙っております。
P2:話が続くのを前提としてるわけか。だから今回は軽めと。
GM:キャンペーンに出来るかは今回のセッションでキャラロストが起こらなかった場合だけですけどね。誰かがロストしたら単発となって終了です。
P1:そうなったら?
GM:また新たなシナリオが出来上がるまで、数年お待ちください。
P3:ロスト前提のプレイをするつもりはないから、まあ頑張るよ。
今回はシナリオの大きな焦点となる部分や大まかな雰囲気を事前に伝えてある。というか、昔にこんな展開にしたいという旨をうるさいほどに聞かせてしまったこともあり、みんながぼんやりと覚えてくれていたようだ。
本来は当日に説明をするのだが、結果として先にキャラクターイメージを膨らませてもらえることになった。
シナリオのコンセプトは過去。
これがどのような結果を生み出すかはまさにPCたち次第だが、出来ることならそれぞれ作ってもらったキャラクター一人一人の過去に焦点を当てたキャンペーンを行おうと思っている。
GM:今回はセッション前から時間を割いてくれてありがとうございました。それではトレーラーを読んでから改めて説明します。
全員:お願いします。
ここでトレーラー
GM:という感じです。今回の大きなタイトルにもなっている“唯一の本”に触れて行きます。
P1:おお、まさに宣言通りだ。
P2:それは造語? って解釈でいいのか?
GM:そうですね。簡潔に言えばレネゲイドが宿った本のことをオーヴァードたちはそう呼んでいるという設定です。具体的には“本の中”という独自の空間を作り出ます。そこには世界でたった一つしかない物語が綴られているとされていて、原因はEXレネゲイドではないかと言われています。
P3:そこに人間を連れ込むことが出来ると?
GM:はい。事例が少なすぎて誰も詳細を知らないというのが現状ではありますが、一応本の中から脱出できることは確認されています。
P3:なるほどね。他のキーワードとしては彼女を助けた二人の男と、この事件自体は二年前。つまり過去に起こったことが、どういうわけか再び……ってことかな。
GM:そういうことになります。ではお待ちかね、それぞれのハンドアウトを公開していきます。
PC1ハンドアウト
P1:あれれー? さっき読んだトレーラーに似てるぞー?
P2:二年前とかUGNエージェントになったとか、共通するワードが多いな。
GM;はい。お察しのとおり、トレーラーの彼女というのはPC1のキャラクターのことを指しています。
P1:ということは? つまり? 私はまた本の中に閉じ込められてしまうということですね?
P3:楽しそうだ……。
GM:キャラクター的に二年前の事件のことをどう思っているのか、そこら辺はP1さんにお任せします。
P1:まっかせんしゃい! ちなみにこのロイス……感染源って?
GM;文字どおり、貴女にレネゲイドを移した奴です。
P2:もしかしなくても、本の中に入ってしまったせいでオーヴァードになってしまったわけか。
GM:まずはひねりのない王道シナリオを心がけました。それでは次のハンドアウトに行きます。
PC2ハンドアウト
P1:なにこれー! 強キャラ臭がすごいんですけど!
GM:強キャラ臭って言葉の方がすごいパワーですが、そうですね。実際P2さんのキャラクターはかなり特異な立ち位置になっています。なのでDロイスを二つまで所持することを認めます。ただ一つはこちらからの指定で申し訳ないのですが、古代種を取ってください。
P2:いいだろう。受けて立とうではないか。これは間違いなく強くなるだろうから、いい気になっちゃうぜ。
P3:強力だなあ。だけど生還率が下がるってことでもあるから、しっかり管理しなよ?
P2;……多分、大丈夫だ。
P1:そこは「任せとけえええ!」っていつものテンションでいうところでしょー?
GM;ロイス枠が一つ減るのと同義なので、間違いなくジャーム率トップのキャラになると思います。ちょっと無理するだけで帰って来れないでしょう。
P3:GMのお墨付きとは珍しい。普段は緩いシナリオを作る傾向が強いのに。
GM:たまには冒険してみたいと思いまして。Dロイスの二つ所持は個性が強くなりすぎるので扱いが難しいですが、今回はPLが三人なので頑張ってみようかと。
P1:いいよいいよー! キャラたちが活き活きして、シナリオが面白くなるならバッチコイ!
P3:こっちもそれで大丈夫。どうにかカバーしていくよ。
GM:ありがとうございます。それでは最後のハンドアウトです。
PC3ハンドアウト
P2:特別な存在と周りから言われてる奴って、もしかしなくても俺のキャラだろ。
P3:ハンドアウトである程度の関係が分かるようになってるのか。
GM:はい。もう想像がついていると思いますが、PC1を助けたのはPC2とPC3のことです。そしてPC3の相棒というのはPC2のことですね。
P3:ワークスが司書というのは?
GM:今回のタイトルは『唯一の本の物語』なので、本も絡めたいと思っていまして。
P1:だから司書っていう立場が欲しかったと。
GM:端的に言ってしまうとそうです。なのでこちらのキャラはこの卓専用になります。ワークスで決まる技能についてはこちらで調整してありますので、後でデータをお渡しします。
P3:よろしく。
GM:トレーラーとシナリオハンドアウトの紹介も済みましたので、皆さまキャラクター作成に移りましょう。
今回使用許可を出したものは基本ルルブ1,2に加え、上級、IC、RU、EA,LM、BC、計八種類という膨大なデータ量の中から選んでもらっている。ただしエフェクトに関しては修正されたEAを基準とした。またBCに載っているエンブレムに関しても今回は見送ってもらうことを断ってある。
P1:いやー、太っ腹!
P2:これGMが持ってるやつ全部じゃねえか。
P3:RU持ってるのは素直に羨ましい。
GM:全力で中古屋を探し回り、ようやく見つけた一冊です。本当に高かったです。そしてUGは結局手に入りませんでした。
P1:あれも絶版に近いもんねー。増産してほしい。
GM:ないので今回は許して……。それと、追加経験点なしなので130点で作成してください。フルスクラッチでいいですからね。
P2:了解した。では早速キャラクター作成に入るぞ。
それぞれがああでもない、こうでもないと言いあいながらしばらく。三人ともキャラクターが出来上がったという報告をしてくれたので、ミスがないかなどの確認も含めて紹介が始まった。
○アンジュ
「私の人生はたったの一日で激変した――。それでも今を生きていられるのは、ある二人のお陰です」
P1:名前はアンジュ。二十歳で金髪ショート。身長は150cm。コードネームはアンライプスナイパー。未熟な狙撃手って意味だよ。ごく平凡な人生を送ってて、学生時代の頃は明るい性格だったんだけど、二年前にオーヴァードとなってから笑ったりしなくなったかな。
GM:元から暗かったわけではなく、大きな変化によって変わってしまったということですね。
P1(以下、アンジュ):そうそう。アンジュにとってオーヴァードになってしまったことは人生で最悪な事件だった感じ。覚醒しちゃった歳も十八だから、そりゃもういろんな影響を受けたわけですよ。
P3:順当であれば高校三年生か。その時期にオーヴァードになったとすれば、間違いなく人生設計はおじゃんだろうね。
P2:オーヴァードになったこと自体が人生の歯車が狂うのと同義だしな。
アンジュ:アンジュはまさに普通と呼ばれる生き方をしてきたの。大きな問題を起こしたこともなければ、何か秀でた成績を収めたことがあるわけでもない。物語に出てくるポジション的には街中ですれ違う通行人レベル。
GM;PC1を務めるキャラが特出したもの無しとは、なかなか攻めますね。
アンジュ:驚くのはこれからだよ。なんと、その凡人さはオーヴァードになっても変わらなかったのだ。
P2:話が終わりそうなんだが。
アンジュ:原因ははっきりしてて、アンジュは自分で何かを成し遂げたことがないんだ。だから力を得てもそれの使い方がよく分からない。とにかくレネゲイドに侵蝕されて自我を失わないよう、出来るだけ何もしないよう息を潜めちゃう感じ。
P3:こと流れ主義なわけか。
アンジュ:人生において、こうした方が安定した生活を送れる、というのを地で決行してたよ。だからこれがしたいとか、何になりたいとかいう夢もなし。勉強はした方が良いと言われているから学校に行って、こういった職種だと安定してると言われてる企業に就職するつもりだったの。
P3:だがそれも叶わずか。まあ、その性格だとUGNに保護された時点で制御法を学んで、流されるままUGNエージェントになるね。
アンジュ:そんな感じだよー。ここからはシンドロームとかの紹介。ブラム=ストーカー、エンジェルハィロゥ、エグザイルのトライブリードで、最大HPとHP回復で無理やり耐える射撃型にしてくつもり。ガードも回避もカバーもないよ。
P2:結構面白い型にしてきたな。勝算としては?
アンジュ:初めての試みなので分かんない!
GM:強さを求めるのも良いですが、キャラクターらしいシンドロームの組み合わせを追及しているのも好きですよ。
P3:キャラクターらしく、ってのは大事だよね。
アンジュ:人生の激変があって今は良いことほとんどないけど、それでもどうにか生きているのは耐えるというタフさがあるからで、それを最大HPで表現していこうと思ったんだ。後は、Dロイスが触媒。割り込むぜー、割りこんじゃうぜー?
GM:純粋に強力な効果を発揮するDロイスですね。……もしシナリオがキャンペーンに続けば、何かしら考えておきます。
アンジュ:おっ、楽しみにしとこー。
P2:じゃあ次は俺のキャラクター紹介と行くか。
○ブレイク
「……ああ、俺? ブレイクだけど、何か用? 用がないなら行くけど」
P2:名前はブレイク。見た目は二十四歳ぐらいだけど、数百年は軽く生きてる。身長は180cm越え。長髪で、毛先だけ黒くて後は銀。コードネームはエンシェントシャドウ。古代の影の意味で、これはDロイスの古代種と傍らに立つ影からもじってきた。
アンジュ:この設定だけで改めて強キャラ臭を感じるわあ。
GM:古代から生きるレネゲイドビーイング。しかも珍しいとされるウロボロスの中でもさらに希少な影を持っているわけですね。これは間違いなく特別な存在でしょう。
P2(以下、ブレイク):こんだけ設定があると、逆にGMからどんな無茶振りされるのかと今から冷や汗もんだわ。
P3:頑張れ。それで、傍らに立つ影があるってことはシンドロームはウロボロスと何かってことかな。
ブレイク:実はピュアブリードなんだ。エフェクトの振り方としては回避型で、攻撃手段は白兵を視界からぶっぱする感じだ。とはいえ、今はまだ回数が多くないから最悪マイナーで距離を詰めることになる。
アンジュ:回避型とかロマンあるねー。ハマるとほんと強いから、GMに警戒されそー。
ブレイク:むしろ警戒されているのを先読みした。
GM:どんなのでも受けて立ちますから、ロマン型も是非楽しんで下さい。侵蝕率がいきなり40と高めですけど……。
アンジュ:うひゃー。流石ウロボロスって感じ。おまけにレネゲイドビーイングだからヒューマンズネイバーでさらに上がっちゃうのがしんどいところ。
ブレイク:実を言うと原初系で上がってるわけじゃないっていう。
P3:レネゲイドビーイングの時点で確定で侵蝕基本値+5って大きいよね。
ブレイク:ここからは性格とか。まず、生まれた時からある感情がない。それは悲しみだ。
アンジュ:一気にRBらしくなったね?
ブレイク:そのため、一時は暇つぶしのためだけに殺戮の日々を過ごしていたこともある。とはいえ、これはもう何百年も前の話だからこの事実を知っている者は同じ古代種か、熱心に俺のことを調べている奴ぐらいだろう。
GM:暇つぶしのためだけに、というのは中々怖いですね。ですがそれも悲しいという感情を抱かないが故でしょうか。
ブレイク:命が失われることを悲しいと思わないからな。なのでかつての知り合いは当然、友人と呼べる程度に親しくなった相手が死んだときも悲しいとは思わなかった。その時に感じたのはまた暇な時間が増えてしまうな、ぐらい。だがこの感覚がどこかしらズレているというか、何かが足りていないということを感じてはいる。
P3:まさに人間とは違う感覚で生きているって感じだね。古代種で長く生きてしまっているというのも悪い方に働いていそうだ。
ブレイク:間違いなく普通に生きている人間以上に出会いと別れを繰り返している。感覚も麻痺してしまっているかもしれん。ただ、残忍な奴というわけではない。どこまでも周りに淡泊なように見えるが、無下に人間を見殺しにするようなことはないし、気が合いそうだと思えばそれなりに気を許す。
GM:かつては殺戮の日々に明け暮れていたのに、ですか?
ブレイク:過去にそういったことをしたことがあるからこそ、だな。その時は暇つぶしに殺して回ったわけだが、今まで様々な時間つぶしの方法を試してきた中でその行為はもっともつまらないものであったとブレイクは感じた。以来、人に危害を加える行為は自分の身や守ってもいいと思う人物に振りかからない限り、力は振るわなくなった。
アンジュ:わーお。当時の人たちにとっては大変に迷惑な話だけど、RBが人を理解するために取る手段は千差万別。その一環が殺しであったとしても致し方なしってことか。
P3:穏便な方法で人と関わる者もいれば、過激な方法で人を知ろうとするRBもいるからね。自分は人ではないと理解しているからこそ、人というものを理解するために人を殺めてみるというのもまたあり得ると。
ブレイク:そういうことだ。なのでこいつに気遣いというものを期待するなよ?
P3:じゃ、最後に俺のキャラクターを紹介しようか。
○レダ
「私はレダ。この図書館の司書を務めています。どうぞ、館内ではお静かに」
P3:名前はレダ。歳は三十一歳。身長は173で、髪は黒。コードネームはロード。君主の意味だ。カヴァーに司書を指定されていたのでGMから渡されたオリジナルデータを使ってるよ。ぶっちゃけると弱かった。
GM:司書らしい技能を優先したので、実用的ではないです……。
アンジュ:身内だから問題なーし! ね?
P3(以下、レダ):うん。シンドロームはオルクス、ブラックドッグのクロスブリード。RCで毎ラウンドシーン攻撃を撃つ完全火力型。後に回避は取る予定だけど今はなし。アンジュみたいにHPもないから基本ロイスで受ける感じになる。それと支援にも振ってあるよ。
ブレイク:結構エグいな。これは早めにあのエフェクトを取りに行くべきか……。
GM:回避型とHP極振りとは、珍しい組み合わせになりましたね。
アンジュ:……んー。レダ、レダか。
レダ:どうかした?
アンジュ:んや。レダに様をつけたら語呂がいいなーって思って。
GM:レダ様、ですか。高貴な感じがしますね。
アンジュ:司書は司書でも部下もいるんだから、それなりに立場が上ってことでしょ? きっかけ作ってレダ様って呼んじゃお。
レダ:そんなに気にいったのか。だったらいっそのこと、図書館の最高責任者とかだったら呼びやすいかもね。
GM:ふむ。……それいいですね。コードネームもロードなわけですし、P3さんが嫌でなければその設定を生やしてもらって大丈夫です。
レダ:設定が生えた。ではそのように。
ブレイク:一気に身分が上がったな。これ、カヴァーを見る感じブレイクとレダは同じ図書館で働いてるっぽいから、上下関係出来ちまった感じか。
GM:先ほどの説明を聞く感じですと、人にペコペコ頭を下げないでしょう。
アンジュ:言えてる。
レダ:さて、レダの生い立ちだが彼はアンジュとは真逆で名家の生まれだ。それなりの学校にも出ているし、学校を卒業した後の経歴もそれなりに華々しい。
GM:こっちが主人公でしたか。
アンジュ:何も言い返せないね!
レダ:大体の人が聞けば羨むような経歴で、レダ自身の性格も温厚。人助けも無理のない範囲でするし、人望もある。そんな彼には当然、良いところのお嬢様との婚約話も上がってくるだろう。
GM:おお。これは少し意外です。
レダ:そして顔合わせをしたシエラという女性とお互い恋に落ち、そのまま結婚。二十五の時には一人娘にも恵まれ、名をリリーとつける。
ブレイク:P3がここまでがっつり設定作ってるのは珍しいな……。
レダ:だがこの幸せは長く続かない。今から三年前、レダが二十八の時に妻と娘は非業の死を遂げる。この時現場にはレダもいて、助けてと叫ぶ妻と娘を守れず、目の前で失った。
GM:P3さんがNPCを丁寧に作り始めたと思うとすぐ悲劇に見舞われるのはどうにかならないですか?
アンジュ:そういう奴だから無理だよー。
レダ:死因は焼死。レダが暮らしている家に誰かが放火したということまでは調査で分かっているけど、結局犯人は分からないままだ。この時レダだけ助かったのはたまたま通りかかったブレイクが助けてくれたという設定にしたいんだけど、いい?
ブレイク:問題なし。
レダ:またレダはこの時にオーヴァードとして覚醒。妻と娘の助けてという声に応えることが出来なかったことへ償いたいという気持ちがトリガーとなった。
ブレイク:じゃあ、ブレイクはそんなレダを放っておけなくて世話を焼いた感じだな。UGNに突きだそうとしたらそのまま自分も連行されそうだし、助けたよしみで自分が面倒を見るしかなかったと。
レダ:そうしてもらえるとありがたい。以来、助けてくれたりオーヴァードとしての生き方を教えてくれたブレイクへ、一方的に相棒だと呼んで差し支えない程度に信頼を寄せている感じだ。純粋にブレイクの強さには憧れる部分もあるからね。
GM:当時にブレイク程の力があれば妻と娘を助けられたかもしれない、と考えるわけですね。
レダ:否定出来ないな。流石に家族を失ってすぐの頃は塞ぎこんでいたが、それでもいつまでもこうしているわけにはいかないことも知っている。時間は待ってくれないからね。生活するには仕事がいるからどうにか司書になって、現在に至るって感じ。
ブレイク:そのよしみでブレイクも暇つぶし感覚で司書になってレダの務める図書館で働き始めたわけだな。本来なら利用者として足を運ぶ程度でいいのにわざわざ司書になったということは、ブレイクとしてもレダのことはなんだかんだで気にいってるだろう。
***
GM:では最後にPC間ロイスを取りましょう。順番はP1→P2→P3→P1です。
アンジュ:ほいほーい。じゃあ私はブレイクにだね。うーん、命の恩人だし忘れるはずもないからポジティブは憧憬、ネガティブは不信感かな。誰にも心の内を語らなさそう。
ブレイク:過去に執着がないから、あながち間違ってないな。ではブレイクからレダに。ブレイクが同じ人物の傍に居続けるというのはかなり特殊だろう。なにせ好きに生きてきた奴だ。だからそんなブレイクが一緒にいるということはレダを好意的に捉えている証拠だ。なのでポジディブは友情、ネガティブは不安だ。……レダって、結構お人好しで問題抱えるタイプだろ?
レダ:当たり。温厚で人当たりが良いから、いろんな人に頼られてるよ。レダ自身もきつい過去があるのに、それを隠してね。じゃあレダからアンジュへは……二年前に出会った時の感情も合わせてポジティブは懐旧。ネガティブは憐憫だね。まさかの再開に懐かしさを覚えるだろう。でも出会うであろう場所があれなので、憐みも感じてる。
アンジュ:言い得て妙だなー。
GM:では全員が決まったところでメインプレイに移行します。……それでは、よろしくお願いします。
全員:よろしくお願いします!