過去の在り方

Preplay 01 ──── 過去への考え

前回のセッションはエンディングが本編だったと言っても過言ではないだろう。アンジュはブレイクとレダの歪さに気付いて恐怖を抱き、そんな二人も長年触れなかった互いの思想の違いにぶつかり荒れた。
はっきり言おう。まさかこんな形で割れるとは思っていなかった。
こちらから仕掛けるギミックとしてこういったぶつかり合いを投げかけようとは思っていたが、まさかそれをPLのみなさんが地で行うとは思っていなかったのである。
同時に皆さんがそれだけキャラの性格を描き、それを大切にしてくれているということだ。GMとしてはとてもうれしい。
後は私がみなさんから投げてもらったものを拾い上げ、更なる展開を投げるだけだ。もしかするとそのまま決別してしまうかもしれないが、そこは皆さんを信じてシナリオを描かせてもらうことにした。

 

Preplay 02 ──── 始まりは過酷

第1話のセッションは大いに荒れて終了したわけだが、決してプレイヤー同士の中まで悪くなったわけじゃない。むしろ彼ら彼女らは生き生きしていた。だからこの日の集まりも、皆楽しそうだった。

GM:皆さん集まりましたかー?
全員:イエーッ!
GM:何かありましたか? テンションが高いようですが。
P1:このセッション! 待ち望んでいたぜー!
P2:前回は最高の終わり方をしたからな。俺も楽しみにしてた。
P3:分かる。俺もこれからどうしようかなって考える度にモチベが上がって大変だった。
GM:前回って相当にきつい終わり方をしたはずなんですけど……あれ?
P1:すれ違いからの仲直りは王道でしょー! まあこの二人と仲直りできる未来が今のところ見えてないけど。
P2:全員好き放題し始めそうな勢いだよな。
P3:一番その可能性が高いのは君だぞ(笑)
GM:……ああ! これはあれですか! 私が一番胃痛に悩まされるポジションですか!
P1:そりゃもうね、あんなことになっちゃいましたから。
GM:ひえぇ……お手柔らかにお願いします。ではトレーラーを公開しますね。

ここでトレーラー。

P1:今回もストレートに来たね。
GM:過去への考え方が皆さん大きく違いますから、そこを取り上げるのが王道だと思いまして。
P2:異様なまでに過去に興味を持たない俺と、過去の出来事に執着しているレダとか?
P3:だね。そしてアンジュは己の過去を綺麗に乗り越えた人物だ。
GM:初めに言っておきますね。最悪仲違いエンドもあり得ます。
P1:あんだけ盛大に思想の違いが露呈しちゃったらねー。
GM:最終的にどうなるかはP1さんの動きで決まると思います。
P1:あれーーーーーーーー?????
P2:それもそうか。ここ二人が仲直りするきっかけを作れるの、アンジュしかいねえわ。
P3:でも今のアンジュは我々を恐れている。前途多難だね?
P1:何でこの人たち他人事なのー? あーーー好き放題やる気だなーーー!?
GM:今回のシナリオは前回から次の日の想定です。さあ、ハンドアウト行きますよー。

アンジュ用ハンドアウト

GM:今回のアンジュはUGN周りのお話です。
アンジュ:この切り口は考えてなかった。ふむふむ、私が明るくなったことでUGN内でもちょこちょこ話が出来る程度の人付き合いが形成されたわけね。
GM:はい。そしてアンジュはUGNでの仕事も悪くないなーって感じ始めているということです。元々、オーヴァードに関しての世話をしてくれた組織ですし、ようやっと心に余裕が出来たので貢献したいなって気持ちが芽生えた頃合い。
アンジュ:うんうん。前のセッションでもブレイクやレダにも恩返ししたいって考えを伝えてるし、それがUGNに対してあっても不思議じゃないね。
GM:アンジュの心の支えがブレイクとレダだけではなくなった、といった具合です。
アンジュ:ありがてー! これで真正面から戦える!
P2:戦いに来るな(笑)
GM:では次に参りましょう。

ブレイク用ハンドアウト

GM:こちらも分かりやすく、このセッション内で唯一の本についてがっつり調べてもらおうかなって。
ブレイク:実はこれが重要なんだよな。
P3:そうなんだよね。我々はいまだに唯一の本についての謎を一切解明できていない。
アンジュ:でも、どこを調べたらいいだろう? どこの組織も詳しいこと、知らないんだよね。
GM:そこらへんについてはプレイ中にそこはかとなく情報を流せればと思っております。
ブレイク:今のところ、手を付ける先すら見えてないからな。俺としてはいくつかピックアップしているが、どれもはずれである可能性が高くてな。
GM:当たっているかはお楽しみですね。ではレダのハンドアウトです。

レダ用ハンドアウト

GM:こちらも直接的にしました。今回でレダの過去が明らかになるといいですね。
アンジュ:待ってたよレダー! 早く私にも教えてくれー!
レダ:実はこの件で事前にGMから連絡を受けてね。
GM:レダの過去については先にすり合わせをしておいた方が良いと思いましたので、少しばかりお時間を頂きました。
ブレイク;そういうことか。
レダ:結構適当なこと言ったんだけど、良かったのかな。
GM:どんな風になっているかはお楽しみということで。さあ皆さんお待ちかね、経験点を使ってパワーアップのお時間ですよー。
全員:わーい!

キャラクター成長中…

○アンジュ
「昨日は逃げるように帰っちゃったけど……。お仕事行かなきゃ、だよね……」

アンジュ:仕事に行きたくないアンジュです。でも、行かなきゃ……。
ブレイク:やめろ(笑)
アンジュ:だってあんなことがあった次の日でしょ!? 絶対嫌だよ! でも時間は止まってくれないし、仕事に行かなきゃブレイクの監視も出来ないし!
レダ:早速荒れてる(笑)
アンジュ:成長に関しては≪異形の転身≫と≪滅びの一矢≫をそれぞれ1レベルで取得して終了。実は前回マイナーで武器作って離脱で終わってたけど、あの武器同エンゲージオッケーだったんだよね。
GM:そうでしたね。こちらもうっかりしていました。しかし、それでも移動エフェクトを取ったのですね。
アンジュ:あって損はないのと、私たちは範囲攻撃を受けるのが何よりまずいから、出来るだけばらけていたいんだよね。
ブレイク:シーン攻撃だけはどうしようもないが、範囲は受けたくないのが本音ではある。
アンジュ:ガードが誰もいないから、一緒のエンゲージにいるメリットがなくて。後は普通にダイス増やしのエフェクトで終了。HPは次回増やしたいな。
GM:分かりました。ではブレイク、お願いします。

○ブレイク
「さて、どこから手を付けたものか。唯一の本、一体誰が作っているんだろうね?」

ブレイク:アンジュやレダへの気遣いなど一切することもないまま、唯一の本について調べ出そうとしているブレイクだ。
GM:なんて自己紹介だ……。
レダ:的を射ているところがまたひどい(笑)
ブレイク:周りから見れば大喧嘩だったのだろうが、生憎ブレイクはそう捉えていない。ただ思想が違っただけだとしか思っていないし、さらに言ってしまうもそれももう過去の話だ。最早興味はない。
GM:そういう奴ですからね。
アンジュ:嫌なことに振り回されないって言えば聞こえはいいけど、一緒に居たくねー(笑)
ブレイク:俺もそう思う。さて、成長は≪原初の紫:運命の切り替え≫を1レベルで取得。
GM:げえええ! やめてください! 死んでしまいます!
レダ:めっちゃGMが嫌がってる(笑)
GM:ブレイクを落とす手立てを考えておきます。
ブレイク:殺意を全力でこっちに向けないでくれ(笑) 後は≪統制者の王冠≫をレベル2に、残りは<白兵>を9まで伸ばし、残りでイージーエフェクトを二つ所得。一つは≪イージーフェイカー≫でバロールの≪ディメンジョンゲート≫を選択。後は≪禁じられし業≫。
アンジュ:やだ……この古代種、便利すぎ……?
GM:回避型で味方分までカバーして、どこでもドアに加えて相手のイージーエフェクト絶対潰すマン。これは便利キャラですね。
ブレイク:強キャラって設定のハズだったんだが、気づいたらこうなっていた。
レダ:実は火力に関しても一番打点が出るのってアンジュなんだよね。
アンジュ:レダも全体にそこそこの威力出すよね。
ブレイク:それに気づいてしまったので俺は便利キャラになった。
GM:なんだか悲しい現実を聞いてしまいました……。それではレダ、お願いします。

○レダ
「私が前に進むことなど、赦されはしない。……そうだろう? シエラ、リリー」

レダ:闇落ち一歩手前のレダです。
アンジュ:まともな精神状態の人がどこにもいません!
GM:完全に過去しか見ていませんね……。
レダ:あれだけ盛大に言い合いした後だし、こんなもんかなって。成長は≪イオノクラフト≫を1レベルで取得して≪雨粒の矢≫のレベルを2に、そして精神を1上昇させて終了だ。
GM:二人とも移動手段を揃えてきましたね。それにしても飛行状態での移動は珍しい。
レダ:相手が飛行状態でさえなければ離脱も出来るし、何より雷の翼というのはかっこいいだろう?
アンジュ:最高。
ブレイク:俺もそういった強キャラ感が欲しかった。
レダ:エフェクトの関係上、同エンゲージにいるとどうしても火力が下がるので必要だった。固定値は次回には必ず上げたいところだ。
GM:以上ですね。次はPC間ロイスのお時間です。

***

GM:順番はいつもどおりP1→P2→P3→P1です。
アンジュ:今回はガラッと変わるよー。ブレイクへのポジティブは執着。監視対象だから、ひっついていなきゃって思ってる。ネガティブは恐怖。表に出てるのはネガティブだよ。
ブレイク:そうなるよな。さて俺はレダに対してだが、実は変わらずポジティブは友情でネガティブは不安。俺が他者に抱いた感情が変わらないのは、過去への執着がなさ過ぎるが故だ。そして表はポジティブ。
GM:これはひどい。
アンジュ:神経逆なでするやつだ……。
レダ:ますますブレイクとの溝を感じたところで、アンジュへのポジティブは尊敬かな。よくあんなことがあったのに逃げずに職場に来たなって。
アンジュ:無断欠勤もあり得たからか。
レダ:いや、本当よく来たと思う。そこに関しては尊敬しよう。でもネガティブは嫉妬。過去を乗り越えて未来に進んでいるアンジュに嫉妬してる。表はネガティブ。
GM:では全員が決まったところでメインプレイに移行します。……それでは、よろしくお願いします。
全員:よろしくお願いします!