その他

第9話

 異界の主となってしまってから早四日。 一応の生活基盤が出来上がっているだけ、本当に一から異界経営を始めている人たちより、随分と恵まれている。……異界自体の規模と異常さに目を向けなければ。「ダイナ様。今宵は月が昇っております」「月齢は悪魔の…

第8話

 しばらく歩いて、ガイア教道場に辿り着く。久しぶりに来たわけだけど、いつ見ても立派な偶像が並んでいる。外観に関しては、はっきり言って綺麗なものではない。どう見ても、破れ寺。 しかし……。 ひとたび中に入れば、一体どこにこれほどの空間を隠して…

第7話

 妖精たちの助力を受け、異界の第一層部分を家としての空間に作り終えた私たちは、ひとまず今後の方針を決めることにする。「死に物狂いで逃げ去った地に、腰を据えることになるとは……」 本当、この業界は何が起きても不思議じゃない。……そう、こうなっ…

第6話

「それでは、報告を聞かせてもらえますか? まず、依頼自体はどうなりました?」 あの後。 間一髪のところで異界を飛び出ることが出来た私とマリアは情けなくも地べたに座り込み、ただただ息を整えることしか出来なかった。そして今は様子を見に来たユウナ…

第5話

 異界のさらに奥地へ足を踏み入れるが先ほどの情報どおり中の警備は手薄で、すぐに儀式を取り行っている場所へたどり着くことが出来た。儀式自体はもう始まっているようで、何かを唱えている声が届いてきている。 儀式の妨害も依頼内容であり、相手側はこち…

第4話

 さらりとした、首元にまで伸びる銀髪。前髪は目にかかるかかからないかにまで伸ばされている。赤を基調としたロングコートが何よりも特徴的で、タイトな黒のアンダーシャツと赤のレザーベスト、そしてズボンすらも赤色だというのに、それが良く似合っている…

第3話

 ──ダイナたちを見送った後の妖精郷にて。「あの二人、大丈夫でしょうか。うまく戻ってきてくれると良いのですが……」「ユウナはあの二人のこと、結構気に入ってるッスよね」「真面目に仕事をこなすフリーランス、さらに裏切りの心配も無い。……こんな人…

第2話

 妖精郷から連絡を受けて一時間かかるかどうか。帝都某所の裏路地を手順通りに曲がっていけば、開けた場所に出ることができる。「到着」「あ、ダイナだ! こっちこっち、王様と女王様が呼んでるよっ!」 私の姿を見つけた1匹の≪妖精≫ピクシーが、こちら…