抑えられぬ衝動

「ねーねー、最近緑間とはどうなのよ?」

「どう……とは、何がですか?」

 下校途中、今日は珍しく篠菜と二人での帰り道で、篠菜の言葉に疑問符を浮かべるララク。多くの困難を乗り越え、ようやく付き合いだした緑間とララクに対して、篠菜の「どうなのよ」という問いかけに答えは一つしかないのだが、そういうことに疎いのはララクらしいと言える。

「緑間と付き合ってもう3ヶ月は経ったんでしょー? どこまで進んだのって聞いてるのよ」

 完全に邪な考えをもっての質問なため、篠菜の顔はにやけている。

「す、進む……? えっと、真太郎さんに体当たりをしたことないですけど……」

「あぁ……、ララクに言葉を濁しながら聞き出そうとしたあたしが悪かったよ……」

 あまりのララクの天然っぷりに篠菜が少し呆れながら、もう一度聞き直した。

「キスとか、身体の触れ合いとか、いろいろあるじゃない。どこまで経験したのって聞きたかったのよ」

「キ、キキ……キス!? そ、そんな、恥ずかしい……!」

 キスという言葉を聞いただけで、顔が沸騰したように真っ赤になっている。

「ほほぉ? その反応はキスはしたとみていいのかなぁ?」

 こういう反応を待っていましたと言わんばかりに追い打ちをかけていく。完全にいじりモードだ。

「い、いえ、その……手をつないだことは……あります、けど……」

「……はっ? 手、手だけ!? キスもまだなの!?」

「そ、そういうわけでは……! あぁいえ、その……! 友達と一緒に居る時はなんともないんですけど、二人きりって意識しちゃうと……、今でもドキドキして、何も考えられなくなっちゃうんです……」

 あまりに何もなさ過ぎて、篠菜はぽかんとしている。

「あぁ……、そうだよね。ララクは天然だし、緑間もそういうの鈍そうだし……、期待しすぎてたわ……。それだけ大事にされてると考えれば悪いことじゃないし、焦る必要もないことなんだけどね。っと、あたしはこっちだから、また来週ね!」

「あ、はい。また来週です」

 篠菜は残念といった表情をしながら自分の家の方へと向かっていった。

「あれ……、真太郎さんと由佳さん?」

 家につくと、隣の家の前で二人が何やら話していた。

「お父さんとお母さんは旅行でいないし私も友達の家に泊まりに行くけど、お兄ちゃん一人で大丈夫? 主にご飯とか」

「それぐらいなんとかするのだよ。いいからさっさと行ってこい。相手方に迷惑を掛けてはいけないのだよ」

「あーあー、分かってるって! もう、それじゃ、いってきまーす」

 どうやら緑間の妹、由佳は土日を利用して友達の家にお泊りのようだ。

「……送り出したのはいいものの、飯をどうするか……。実際困ったものなのだよ」

 緑間は料理が苦手でうまく作れたためしがない。しかしレトルト食品などで済ますのも栄養バランスなどを考えると気が引けた。

「真太郎さん、由佳さんはどこかへお出かけですか? 随分大きな荷物を持っていましたけど」

「む、ララクか。由佳は友達の家に泊まりに行ったのだよ」

 ララクと緑間は、交際期間としてはそれこそ短いが、お互いに意識していた期間だけで言えばもうずいぶんと経つ。そのため恋人同士というよりは、一緒に居るのが自然な仲になっていた。

「そうだったんですか。……お泊りかぁ……、一度でいいから私もしてみたいです」

 ぽつりとララクは呟いた。友達の家に泊まってワイワイするのを経験してみたいようだ。

「……ふむ、それなら……、その、俺の家に泊まりに来るか……?」

「え、真太郎さんの家に、ですか……?」

 まさかの緑間の提案に、キョトンとして聞き直してしまう。

「いや、無理にとは言わないのだよ! べ、別にその、やましい考えがあるわけではないが、来てもらえると助かることが……」

「やった! お泊り、楽しみです! すぐ準備してきますから、少し待っていてくださいね!」

「あ、おい! 話は最後まで……!」

 緑間の静止を聞かず、バタバタと自分の家の中に入っていったかと思うと10分もしない内に出てきた。

「お待たせしました! ……と、言っても足りないものがあったらまたすぐに取りに来れますから、取りあえず必要最低限の物だけ持ってきました」

「……そんなに、お風呂に入りたかったのか……」

 出てきたララクの持ち物は、着替えとタオルだった……。

「もう、真太郎さんってばそれぐらいのことならいくらでもしてあげるんですから、別に隠さなくても……」

「隠すも何も、話を聞かずに決断したのはララクの方なのだよ」

「う……、そうだった気も……、します」

 両親の不在を聞いて、ララクは料理の出来ない緑間に代わって晩御飯を作っていた。その間に緑間はお風呂を沸かしたりお皿を並べたりと、ララクの手伝いをしている。この姿を見るとまるで新婚夫婦のようだ。

「真太郎さん、ご飯までまだ少し時間がかかりますから、先にお風呂に入ってきてくださっていいですよ」

「なら、そうさせてもらうのだよ」

「はい、さっぱりしてきてください」

 ララクに促され、風呂場へと緑間は姿を消した。それを確認したララクは小さな声で「よし」と気合を入れなす。

「(せっかく食べてもらうんですから、とびっきりおいしく作らないと……)」

 それから数十分……。完成した料理を丁寧に一つずつ、皿に盛っていく。

「ちょっと、張り切って作りすぎちゃったかな……。真太郎さんがどれぐらい食べるとか、きちんと確認しておけばよかった……」

 作った料理は鍋の中に残っており、作りすぎてしまったことを後悔した。

「ララク、そんなに鍋の中を見つめてどうしたのだよ」

「あ、真太郎さんお風呂から出て……! そっ、その格好……っ!」

「む……、何か変か?」

 パジャマのボタンは一段目が開けてあり、ちらちらと胸板が見え隠れする。また髪も完全には乾いておらず、それが逆に色気を際立たせる。

「い、いえ! 変どころか、そ……その……!」

 不覚にもかっこいいとときめいてしまった自分が恥ずかしい。

「変な奴なのだよ。冷めないうちにいただくとしよう」

「あ、はい! どうぞ、好きなだけ食べてくださいね」

 向かい合って席につき、手を合わせて「いただきます」の声が重なった。

「ん、美味いのだよ」

「よかった……。やっぱりその言葉を聞けると安心します」

 ほっと胸をなでおろし、自分もごはんを食べる。緑間もララクも食事中に喋るほうではないため、静かな時間が流れたが、決して嫌なものではなかった。発言される言葉としては、緑間の「おかわり」ぐらいだった。

「そ……、そんなに食べて、お腹痛くないですか?」

 作りすぎてしまったと思っていた料理も緑間が平らげ、きれいさっぱりなくなっていた。

「自分で言うのも変かもしれないが、部活後だからな……。いつもこれぐらいは食べるのだよ」

「そういうものなんですね……」

 確かに、2m手前の身長にあれだけの運動量を考えれば、食べる量が増えるのも必然的ではある。

「それじゃ、片づけをしたら私もお風呂に入ってきますね」

 食べ終わった食器をまとめ、水道へと運ぼうとしたらその手を止められた。

「いや、片づけぐらいはオレがするから、早く風呂を済ませてしまうのだよ」

「あ……、はい。分かりました、それじゃあお言葉に甘えて、お願いします」

「食器を片付けたら先にオレは部屋に戻っているから、ゆっくり浸かってくるのだよ」

「じゃあ、その……、お風呂から上がったら私も真太郎さんのお部屋にお邪魔してもいいですか?」

「あ、あぁ、別に構わないのだよ」

 ララクなりの精一杯の甘え方。お互いストレートに言い合えないため、どうしてもぎこちなくなる。

「では、入ってきます」

「のぼせない様に気を付けるのだよ」

 そういって今度はお風呂場へと姿を消すララクを見届け、食器を片付け始めた。

 コンコン……、控えめな音がした。

「開いているのだよ」

「失礼、します」

 お風呂からあがり、緑間の部屋へと恐る恐る足を踏み入れる。

「ラ、ララク!? そ、その格好は……!」

「えっ……、もしかしてズボン、逆に履いていますか!?」

 何度も確認してきたのに……と、オロオロしながらパジャマのズボンを凝視し裏表を確認している。
 しかし緑間が驚愕の声を上げた理由は、その豊満なバストが今にもパジャマから見えそうだったからだ。ララクはいつも大きすぎるためボタンを二つ外し、もともと好きじゃないブラジャーなどは寝る時は絶対につけない。そんな姿の彼女を見れば誰だって赤面する。

「こ、この部屋にララクを入れるのは、夏休み前の勉強会以来……だったか?」

「そうだったと思います。あの時は本当に助かりました、お蔭でいい点数も取れて……、感謝してもしたりないです」

 緑間は話を逸らし、見ないように必死にさっきまで読んでいた本に集中しようとする。ただララクにとってその姿は、そこまで真剣に読んでいるのはどんな本なのだろうという興味をそそる対象にしかならず、緑間の邪魔にならないようにゆっくり近づき、触れるか触れないかぐらいの位置まで寄ってきた。

「ララク……」

「あ、ごめんなさい、邪魔をするつもりは……ひゃぁ!?」

 緑間に名前を呼ばれ、邪魔をしてしまったと思い離れようとしたら逆に腕を掴まれ、その勢いで緑間の胸に支えられる形となった。

「真太郎……さん?」

 唐突の出来事に状況を把握しきれないララクは緑間の名前を呼ぶことしかできない。

「ララク、……キスをしても……、いいか?」

「へっ!? キ、キキキ……キス、ですか!? あ、う……その、えっと……!」

 お風呂上がりでほんのり赤かっただけの頬はさらに赤くなり、あうあうと言葉にならない言葉を口にしている。

「そんな可愛い態度ばかりとられてしまってはもう……、我慢の限界なのだよ」

 緑間の真剣な顔に何も言えなくなったララクは覚悟を決めるように、そっと目を閉じた。

「……んっ」

 そっと、触れるだけの優しいキス。少しするとその実感がわいてきてドキドキが止まらず、たまらなくなったララクは緑間の胸で顔を隠す。だが、くいっと顎を持ち上げられ、今度はついばむようなキスが始まった。

「ん……ふっぁ……はぁっ、ん……」

 今までにされたことのないことばかりでどうしたらいいのか分からず、ただ息を漏らすことしかできない。しかし緑間にとってはそれが更なる興奮材料になった。

「はぁっ、ララク……、ララク……」

「やっ、ん……! 名前呼ぶのはぁ……あぁっん、ずるい……です……んん!」

 何度も何度もキスを浴びせられ、ララクの目は蕩けている。そんな顔を見て緑間はますますキスを激しくしていった。ついばむようなキスから、今度は何分も離さないような長い長いキス。
 たまに唇を舌で突けば、ララクはそれに対して一度ずつ、丁寧にぷるぷると震えたりして反応してくれる。そんな姿が愛おしくて、この行為はララクがもうダメというように、緑間の胸板をとんとんと叩くまで続いた。

「はっ……はっ……! んん……、あっ……はぁ……」

 唇同士が離れ、ララクは必死に息を整えている。目尻には涙をためながら緑間を見上げる。

「真太郎……さ、ん……。へ、変な感じ、です。キス……って、こんなに、何も考えられなくなっちゃうもの……なんですね」

 ララクは今の状態を素直に緑間に伝える。こういった行為に疎いララクは、とにかく緑間に伝えてすべてを委ねようとしていた。ただ緑間にとってはこれ以上の煽り言葉はない。

「全く……、何も知らないというのも時に罪になると、その身体に教え込んでやるのだよ」

「え? あっ……! やっ……! 胸はダメ、です! んんっ……なに、これぇ……ぴりぴりするっ……!」

 胸板に置いてあった手でとっさに緑間の手を止めようとするが力ではかなわず、パジャマ越しに突起部分をコリコリと苛められてしまう。

「あんっ、あっ、あぁ……、しん、たろう……さんっ……あっ! んぁぁぁ……!」

「キスをしただけでこんなに硬くして……。そんなに気持ちよかったのか?」

「気持ち……いい……ってぇ……そんな、のぉっ、分からない……ひゃん!」

 ピリピリするような、むずむずするような、なんとも言えない感覚。ただ分かるのは、決して嫌なものじゃないということ。……いや、もっとしてほしいとさえ思える……、そんな感じ。

「なら、俺に一つずつ教えてほしいのだよ。どんな感じがするのか、どこがいいのか……」

 ララクの耳元で囁きながら、ゆっくりと耳を舐め、胸を揉みだした。

「あぁぁ! み……耳はぁっ、あん、あっ、はぁ……。胸も、そんなに揉んじゃ……あっ! んっ、んん!」

 ララクはただただ、緑間の耳元で喘ぐことしかできない。

「はっきりと言うのだよ。耳はどんな感じがするんだ?」

「耳……はぁ、あっ、あぁぁ……くすぐったい……ようなぁ、で、でもぉ、いい、感じ……です」

 緑間に促されるように、自分の感じていることを声に出して伝えていく。その度に、ララクは身体をびくびくと震わせた。

「胸は? 揉まれるのと乳首を抓まれるの、どちらがいいのだよ」

 そう言って耳から舌を離し、左手は胸を揉みしだきながら、右手は突起を抓んだり弾いたりしながら問いかける。

「ふぁ! ああ! ど、どっちもダメっ! です! やんっ! んはぁ……あっ、あっあっ……!」

 かなり胸に弱いようで、喘ぐ声が自然を大きくなる。しかし緑間は、しっかりとどういう状態なのかララクが言うまでやめる気配がない。

「し、しんたろ……さん! へ、へん! へんなの! へんなのがきちゃっ……!」

 緑間の太腿に乗っているララクは、閉じられない股を必死に腰で動かし、初めて襲う感覚と戦っていた。
 しかしそれは、まるで緑間の太腿に自分の股をこすりつけているようにしか見えない。

「どうしたのだよ。そんなに腰をくねらせて……。下の方が気になるのか?」

 分かっていながら、知らないふりをしてララクに聞く。

「あっ、はっ……はいっ! だから……だからぁ! と、とめ……て、くだ……さいっ!」

 必死に止めてと懇願する、そんなララクの顔はすでに蕩けきっていて、緑間にとっては「もっとして」と言われているようにしか聞こえなかった。
 そっと左手を胸から離すと、ララクはやめてもらえるんだと安堵の表情を浮かべるが、それは一瞬だった。

「ひゃぁぁ! そ、そこはっ! やっ! あっ……! あぁぁ、ダメっです! もう……我慢、できない……!」

 緑間の左手はララクの秘部をこすりあげていた。今のララクにそれを耐えられるだけの抵抗力は残っていない。

「あっ! もう……! き、ちゃうっ……! ふあっ……! あああああぁ!」

 びくんっと大きく反応し、背中をのけぞらせガクガクと体を震わせている。そんなララクの身体を緑間は慌てて支えた。

「はぁ……はぁ……。しん、たろ……さ……ん……。い、まの……なんです、か……」

 息を整えながら、何が起こったのか分からないララクは緑間に答えを乞う。

「オーガズムに達したのだよ。簡単にいうとそうだな、気持ちよくてイったのだよ」

「イ……ク……? さっきの……チカチカ、ってするのが、ですか……?」

 朦朧とした頭で、緑間の言葉をゆっくりと消化していく。初めてのことばかりで、良いことなのか悪いことなのかの判断もつかない。

「安心しろ、オレの前でならいくらでもイっていいのだよ」

「はっ……はいっ……」

 しっかりと考えられず、緑間の言葉をただ鵜呑みにしていく。返事を聞いた緑間はいいことを思いついたと言わんばかりに口角を上げてララクをベッドに寝かせ、おもむろに服を脱がし始めた。

「やっ……! 真太郎さん、何してっ……!」

 ララクは緑間の行動に驚きとっさに抵抗するが力でかなうわけもなく、裸にされてしまう。

「すまないが、もう抑えられないのだよ」

 そういって緑間も裸になる。それを見たララクは赤面し、目を固く閉じる。それをいいことに緑間はララクの胸の突起を舐め、内太腿を撫でた。

「ひゃあ! まっ、またぁ……! んっ、あぁ、はっ、んぁぁ!」

 先ほどまでの感覚を思いだし、ララクは喘ぎ声を出すことしかできない。まさになすがまま、緑間の思うように弄られ、快楽を身体に教え込まれていく。

「胸だけでは……、足りないだろう?」

 意地悪くそういうと、内太腿を触っていた左手はまた、ゆっくりとララクの秘部にあてがわれる。

「あんっ! さ……っきより、刺激がつよっ……いぃ! ふぁぁ……!」

 先ほどと違うのは、直に触れられているということ。その事実だけでさらに意識が高まり、自然と声が大きくなる。

「すごく……、濡れているのだよ」

「やぁっ! 言わないでくださいぃ……! あぁんっ、はっ……あん、あんっ、あぁ……!」

 ゆっくりと動かされ、指から与えられる刺激にひとつずつ声を上げるララク。

「んぅ、あぁ……はぁ……、ひあぁぁ!? それぇっ、おかしくなっちゃうぅ!」

 緑間が親指の腹でぐにぐにと、ぷっくり膨らんだ肉芽を弄ぶ。その刺激に耐えられず、首をふるふると左右に振りながら必死に腰を引いてはいるがその姿は弱弱しく、むしろ自分のいいところに導いているようにも見える。

「そんなに腰を動かして、イクところを見てほしいのか?」

「やっ、だめぇ! 見ちゃだめです! あっ……はぁっ……」

 堪えられず逃げ出そうとするララクの脚を肘で押さえつけながら、硬い突起を指の腹で執拗に撫でまわす。

「ふあぁっ! あっ、んっ……あっ、はぁっ……んっ……んっ!」

 膣内からはとめどなく愛液が溢れ出ている。緑間から与えられる強烈な快感がララクの理性を溶かしていく。

「あぁっ……んあっ、はぁ……んっ、あぁ!」

「……ララク、気持ちいいか?」

「はぁっ……あっ、いい……です、とっても……んぁっ、気持ち、いい……」

 見られていることも忘れてしまうぐらい、ララクは快楽に溺れている。

「ララク、可愛いのだよ。……そろそろイかせるぞ。しっかり見せるのだよ」

「ひあっ、あっ! あっ、あんっ……あっ……!」

 ララクを追い込むように、緑間は素早く、小刻みに肉芽を擦りあげた。

「あっ! ダメ! もう……もう! き、ちゃうっ……すごいの、くる……! ふぁっ、あっ、あっ!」

「イク時はきちんとイクと言うのだよ」

「は、はいぃ……い、くぅっ……あ、あっ、イキます……! イクぅっ……! ふああああぁ!」

 ララクはピクピクと小さな身体を何度も震わせ、緑間の指で昇りつめた。

「はぁ――……。はぁ――……」

 息を整えながら、絶頂の余韻に浸るララク。しかし緑間はそれを許さなかった。

「あぁっ! ま、待って……あっ、い、今はっ……刺激がぁ……!」

 緑間は動けないララクの太腿をがっちりと押さえこみ、恥丘にかぶりつくようにして割れ目に舌を這わせた。

「あっ、あっ、あぁ……はぁっ、ふぁ……あぁぁ……」

 先ほどよりは少し優しい快感を与えてもらい、ララクは抵抗するよりも身を委ねるように力を抜き、喘ぎ声を上げていく。彼女はもう、快楽の虜だ。緑間はそんなララクの態度に気を良くしたのか、そのまま上下に顔を動かし、縦筋の中身を遠慮なく舐め上げていく。

「ひゃんっ……あぁっ、……あぁ……あぁっ……はぁぁ……」

 膣口から溢れる愛液を舐め上げられ、それに対してまた膣口が愛液を出す。緑間はざらざらとした舌と、柔らかい唇でまた愛液を丁寧に自分の口へと運んでいく。

「あっ……あん……はぁ……あっ、あぅ……んっ……」

 ララクはあまりの快感に恥ずかしさを忘れ、甘い声で喘いでいく。

「ふあぁ……あぁ、んっ……あぁ、はぅ……」

 ララクがクンニに夢中になっているのを確認するように緑間は膣内に舌を入れ込み、卑猥な音をたてながら内壁をぐりぐりと犯していく。

「あっあっ……! やぁん……んっ、あっ……あんっ……んっ、んんっ……」

 ララクはそれを受け入れるようにさらに愛液を出し、気持ちよさそうにしている。緑間はそれに答えるように、恥丘全体を咥えこみ包皮ごとクリトリスを刺激する。

「ああああぁっ! あっ! あんっ! はぁ……はぁ……あっ、あぁ、ふぁぁ……。すごい……気持ちいいぃ……」

 自然と言葉が漏れる。そして一度口にしてしまった後は……。

「あっ、あぁ、また……イク……! ひゃぁん、イクぅ……!」

 軽く昇りつめ、ふるふると全身を震わせる。

「はぁっ……はぁ……はぁ……はぁぁ……。ひぁっ! あっ! あっ、あん……あん、あっ……」

 余韻が残っている間も緑間の舌の動きは止まらず、立て続けに秘所を責め立てられる。

「あっあぁ……、真太郎さん……もう……あぁぁ……」

 ララクは何かを言おうとしたが、緑間から与えられ続ける快感にまた喘ぎ声を上げることしかできなくなる。

「らめっ……それ、だめぇ……」

 未だ絶頂の余韻に震える膣口を舌先がチロチロと舐め回していく。

「ひあっ、あぁ……あっ、あん…………あんっ、あっ……」

 膣の浅い敏感な部分をなぞられる度、身をよじるような快感がララクの頭にまで駆け上る。

「いく……、またイっちゃう……あああ……!」

 ビクビクと、今度は大きく身体を震わせながら果てる。

「ララク、イったばかりで悪いが、俺も我慢の限界だ。挿入れるのだよ」

「えっ……?んんっ! あっ……!」

 突然、下部へ大きな圧迫感が襲った。今まで閉じていた目を開き、声にならない声を上げる。

「……すまない。初めては優しくとずっと考えていたのだが、あんなにも淫らなララクを見た後では、それは出来なかった……」

「あっ……! はぁ……っ! や、真太郎さっ……! これ、おかしくなっちゃう……!」

「ぐっ……きつ、い……な。痛くないか……?」

 痛みで声を上げたのだと思った緑間にほんの少しの理性が戻る。しかし緑間のそれを全部挿入れられたララクの膣はひくひくしながら、嬉しそうに咥えこんでいる。
 蕩けきった顔をしてララクは……。

「これ……しゅごいぃ……、奥に……当たって……」

 あまりの気持ちよさに呂律が回らなくなりながらも、緑間のそれから来る快楽に必死に流されないようにしていた。そんな姿を見た緑間の理性は完全になくなる。

「やめてと泣いて懇願しても、絶対にやめないのだよ」

 そういってララクの膣内の奥を執拗に責め立て始めた。

「ひあぁぁ! 奥、らめなのっ! イクの……止まんないっ!」

 緑間に挿入れられてから、ララクはもうずっと膣をひくつかせている。何度も絶頂し、意識は朦朧としている。それでも大好きな人と繋がっているという事実がララクの意識を手放させてはくれない。

「そん、なに締め付けたら…………」

 緑間がベッドのシーツを強く掴んだ。それでもララクは自分のことでいっぱいで、ただ緑間にすべてを委ねるしかなかった。

「うっ……出るっ……!」

「ふぁ! また大きく……あっ、ふあああああ!」

 お互いに果て、肩を大きく揺らしながら息をしている。ララクは息を整えている間に今までの疲れが出たのか、いつの間にか意識を手放していた。緑間もそんなララクを愛おしそうに抱きしめながら、眠りについた……。